技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」で技能向上を目的とした国家試験になります。2級技能士だと受験した都道府県知事認定、1級技能士になると、厚生労働省認定の技能士になる事が出来ます。この試験を受験資格や受けてみて私自身が思ったメリット、デメリットをご紹介します!
技能検定とは?
技能検定は特級、1級及び単一等級、2級、3級に分かれ難易度としては特級が管理者が有すべき技能、1級は上級技能者、2級は中級技能者、3級は初級技能者と段階ごとに分かれています。いろんな職種ごと検定があり、全部で111種の職種があります。実務経験が必要で級ごとに必要な経験年数が変わってきます。受験に必要な年数に関しては厚生労働省のホームページに記載があります。
- どんな試験なの?
私が受けた数値制御旋盤は6月〜9月の間に実技試験と実技ペーパー試験、学科試験があり、実技の採点が実技試験と実技ペーパーの合計100点満点、学科試験100点満点で採点され、原則として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上で合格となるようです。実技、学科どちらも合格すれば受験した級の技能士となります。実技、学科の片方が合格、もう片方が不合格だった場合、来年はまたその二つの試験を受けなければならないという訳ではなく、不合格だった試験だけを受け、合格出来れば技能士認定を受ける事が出来ます。
- 難易度はどれくらい?
令和元年の機械加工の合格率は下記の通りになります。
級 | 受験申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
特級 | 933 | 91 | 9.753% |
1級 | 3142 | 1630 | 51.878% |
2級 | 6391 | 3252 | 50.884% |
3級 | 5873 | 4424 | 75.328% |
表からわかるように特級の難易度がずば抜けて難しいです。。。実際、特級試験を受けましたが、私は恥ずかしながら、実技に当たる、作業立案という試験は合格出来ましたが、学科を不合格になってしまい、次の年に学科を受け直して合格したので、2年かかってしまいました。。。1級に関しては51%と高めに感じますが、正しく教えてくれる先輩、もしくはちゃんと勉強しないと合格する事は困難であると思います。
実際に受けて思ったメリット、デメリット
機械検査、数値制御旋盤を実際に私が受験して思ったメリット、デメリットを紹介します!
- メリット
- 実力がつく。
- 自信に繋がる。
- 勉強を通していろんな工作機械について知る事ができる。
- デメリット
- 勉強をする上で実技、学科ともにとにかく時間が必要。
- 工具を揃えるのが難しい。
- 合格したからといって昇給に繋がるとは限らない。
メリットについては難しい試験であるが故に、合格する事が出来れば確実に自分の自信につながります。また、不合格になったとしても、試験までにやった事は、実務と関係する試験であれば無駄になる事はありません。そして、学科試験、実技ペーパーの内容は数値制御旋盤の場合、機械加工全般が問われる問題になりますので、旋盤に限らず、フライス盤、ボール盤などの別の工作機械について。金属の種類や、歯車、応力などなどたくさんの知識を得ることが可能になります。知識を得る事が出来ると、持っている知識から実際にもっとこうしたい、今までの加工はもっと良くなるのでは?という自発的な発想の転換に繋がっていて、今の自分にも役立っていると感じています。
デメリットについては範囲が広い分、勉強に時間がかかります。そして難点なのが実技で、機械を使う試験の場合、練習の為や試験の為に機械を使う時間を確保しなければならないというのがあります。実際私の場合は定時時間中に機械をとにかく機械稼働をさせて、定時後の時間で工具を全部外して、練習、その後段取りして加工して帰る、という風に時間を取ったり、休日にお願いをして機械を使わせてもらったりしていました。そして工具、測定器も自社、もしくは自分で用意しなければなりません。そういった面から、自分の意欲だけでなく、企業側の作業者の技術向上に対する体制も重要な点になってくると思います。
まとめ
技能検定は体感としてまだ認知度が低い方の検定だと思います。正直、勉強していると、諦めたくなるような試験でもあったと思います。ですが挑戦する価値は充分ある検定だと思います。
私の試験を受けるまでの体験ですが、先輩、もしくは同僚から「こんな試験、取っても意味ないよ」と言われてしまう事もあったりします。。。ですが!やりたい事、やろうと思っている事は人になんて言われようとやって行けば無駄にはならないと思いますし、実感として今そう思っています。まだまだ成長したい、自分はどこまで出来るのだろうと意欲、興味があるのであればぜひ挑戦してみて欲しいと思います。
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